WEBマーケティングで最初にすべき「2つの設定」
企業内でWEBサイトを管理しているチームは様々です。マーケティングチーム、営業、そして意外と多いのが総務…。
マーケティングチームがあるところはまだいいですが、総務などは日常業務をこなしながら片手間でWEBサイトを運用していかなければなりません。
そのようななかでも経営陣や現場からのWEBサイトへの要望はどんどん増えてきています。問い合わせや資料請求など売上につながる直接的なコンバージョンはもちろん、Facebook運用、Twitter運用、Instagram運用、メルマガ活用、ログ解析、SEO対策、リスティング運用…
挙げていったらキリがありません。
このようにやることは増える一方のなか、それらをすべて実行に移すために「ヒト」「モノ」「カネ」を強化できる企業は可能なかぎり実行に移していけばいいですが、多くの企業は「選択と集中」をしなければなりません。
ではその「選択と集中」をするためにも、WEBマーケティングでまず最初にすべき「2つの設定」を説明します。
1.目標設定
まずひとつめは目標設定です。あたりまえのことですが、全体を俯瞰して課題やタスクを「短期」「中期」「長期」で整理するとなるとなかなか出来ていないところが多いと思います。特にWEBマーケティングのみではなく、対象となる事業全体を俯瞰する必要があります。
例えば…
【短期】
- SNSへの取り組み
- メルマガの導入
- アクセス解析
- リスティングのCPA最適化
【中期】
- 競合優位、バリューチェーン分析
- ブランディング、ブランド認知拡大
- WEBサイトのそもそもの目的
【長期】
- 経営目標
- 組織体制計画
短期の目標は比較的簡単に設定しやすいですし、すでに取り組んでいることも多いかと思いかもしれません。
しかし、短期の目標を淡々と実行しているだけでは、「Facebookは何のためにやっているのですか?」と聞かれても「いまどきSNSくらいやっていないと」などというあまり中身のない回答しかできなくなってしまいます。
これでは効果があるのか無いのか分からずに次第にフェードアウトしていきます。
日本の企業はROI*の検証が苦手と言われています。当然SNSの運用にもコストはかかっているわけですが、何のためにそれをやっているのかを理解していないと、その投資に対しての回収がどれだけあったのかの検証は当然できません。
それには長期から順に目標を明確にしていく必要があります。目標が明確になったら次は具体的な数値への落し込みを行います。
*ROI:投資収益率(Return On Investment)
2.KPI設定
KPIとは重要業績評価指標(Key Performance Indicator)のことで、事業目標の達成のためのプロセス管理、いわば中間目標のことです。KPIの設定の前にKPI設定に関わる下記の2つの指標を理解する必要があります。
【KGI】:重要目標達成指標(Key Goal Indictor)
【KSF】:重要成功要因(Key Success Factor)
KGIは、ある事業目的達成のためのいわば最終目標です。例えば「今年のWEB経由の売上が1億円」などがKGIとなります。
そしてKSFはKGI達成のための成功要因となり、その内容・要素は業種や事業によって様々です。例えば「今年のWEB経由の売上が1億円」をKGIとした場合は「新規来訪者増加」「購入単価のUP」といったことがKSFに挙げられます。
それをさらに具体的でわかりやすい数値に落とし込んだものがKPIです。
このKPIの設定には下記のことが大切になってきます。
- KPIは具体的でわかりやすい数値であること
- KPIは到達の可能性のある適切な目標であること
- KPIはタイムリーに把握できるシンプルなものであること
- KPIは重要成功要因に影響を与えるものであること
特に4つめは大切で、いくらKPIを達成してもKSFに影響がなければKGI達成にもならない。それでは、やっている意味がありません。KGI、KSF、KPIは切り離して考えることはできませんのでロジックツリーなどを用いて関連性を明確にしておく必要があります。
まとめ
上記の「2つの設定」をまず最初に行うことで、冒頭に挙げた、自社の現状に合った選択とそれに対して集中するべきことが見えてきます。無駄な業務を省き、事業目標に本当に影響する本来すべきことに集中する。より効率的に事業を進めるために、ぜひいま一度これらのことを見直してみてはいかがでしょうか?
WEBプロデューサー / O.Y