RGBとCMYKの違いとは?
気を付けてる?カラーモードの話
例えば、目の前に1個のリンゴがあるとします。
あなたはそのリンゴの色を、言葉だけで正確に他人に伝えることができるでしょうか?どんなに詳細に言葉で描写しても、おそらくそれはとても困難です。一言で「赤」と言っても様々な種類の「赤」がありますし、人それぞれ思い浮かべる色は違って当然です。
今回はそんな「色」を数値で正確に表現する方法について、一般的によく使われるカラーモードであるRGBとCMYKの2種類をご紹介します。
RGB
RGBカラーとは光の3原色である、Red、Green、Blueの頭文字をとったもの。これら3つを混ぜ合わせて様々な色を作ります。パソコンやテレビ、デジタルカメラのディスプレイなどがこのRGB方式です。これらは、混ぜれば混ぜるほど明るく、白色に近づいていく性質を持っているため、「加法混色」または「加法混合」と呼ばれます。コンサートなどで、この3色のスポットライトが同じ位置に重なると、白く透き通った光になるのもこの原理です。
CMYK
CMYKカラーとは、Cyan、Magenta、Yellow、Key Plateの頭文字をとったもの。これらは印刷物で使用される表現方式です。Kは、黒(Kuro)のK、ブラック(BlacK)のK、ではないので注意。これらは混色すればするほど暗い色になっていくため、「減法混色」もしくは「減法混合」とも呼ばれます。
そもそも理論上は、CMYのみで全ての色を表現できるとされています。しかし、実際はその3色のみでは鈍いグレーまでしか表現できません。そのため、引き締まった綺麗な黒色を表すためにKが加えられているのです。
色を数値で表してみる
冒頭で述べたリンゴの「赤」もRGBやCMYKを使うことで、感覚ではなく数値で正確に表すことができます。
左の写真の四角で囲われた部分の色を数値で表すと下記のようになります。
RGBの場合:R221 G1 B39
CMYKの場合:C15% M100% Y89% K0%
こちらのソフトを使うと、PC画面上の色を簡単に調べることができます。
・FE – Color Palette
・色取鳥i(いろとりどりアイ)
・ゆなカラーピッカー
RGBとCMYKは何が違うの?気を付けたいこと。
では、RGBとCMYKは何が違うのでしょう?それは再現できる色の幅(色空間、カラースペースと呼ばれるもの)です。RGBの方がCMYKよりも多くの色を表すことができます。
画像は、左がRGBモード、右がCMYKモードのイメージです。並べてみると、RGBの画像は鮮やかで、CMYKは少しくすんで見えます。
例えば、デジカメで撮った写真をパソコンに取り込んでプリントアウトした際など、「画面で見ていた色と違う!」という経験をしたことはありませんか?前述した通り、デジカメのデータはRGBです。それをそのままプリントアウトすると、カバーしきれなかった色域が近似値のCMYKカラースペースにむりやり置き換えられるため、出来上がりの色味が変わってしまうのです。
そうならないためにも、印刷物を作る際はカラーモードをCMYKに切り替えて作業することが必須となってきます。
まとめ
色は、ものごとの印象を大きく左右する非常に重要な要素です。色のチョイスによって、伝えたいことをより正確に、効果的に表現することが可能です。
デザインをするにあたり「こんな色になるはずじゃなかった!」という悲劇を招かないためにも、カラーモードについての知識を、頭の隅に留めておくといいのではないでしょうか。
グラフィックデザイナー / S.M