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ブランディングとは
顧客接点となるデザインが重要な理由

企業経営や商品販売戦略を考える上で「ブランディングが重要」と言われるようになってから随分と時間が経ちました。しかしブランディングを行なっていくには専門的な知識やノウハウが必要になるため、企業が自社リソースのみで考えるにはハードルが高いと言えます。インターネット検索で自社サービスとしてブランディングを取り扱っている企業を調べると、コンサルティング会社、マーケティング会社、デザイン会社の3業種に絞られるようです。今回はデザイン会社であるマルキンアドが考えるブランディングについて紹介したいと思います。

ブランディングとは

ブランディングを短い文章で表すと以下のようになると考えています。

企業価値や商品価値の「魅せ方」を考え
デザインという手法で「ビジュアル化(体感化)」し
直感的に世の中に伝わるようにする

企業や商品が持つ価値を見出し、世の中に認知させることが目的になります。企業や商品の価値の認知が進むことで競合との差別化が図られ、ファン層が増加し、価格競争からの脱却が可能になります。その結果として売り上げの向上につながっていきます。
企業や商品の価値を世の中に直感的に伝えるには、人間が五感を使って体感できる形にすることが重要です。その中でもとりわけ視覚に訴える伝達方法が重要であると考えています。

企業価値・商品価値とは?

経営者の想い、商品立ち上げの背景、企業文化や歴史、企業や商品が世の中にもたらす効果など、企業や商品が持つ独自性を「価値」として捉えています。

なぜ「魅せ方」と「ビジュアル化(体感化)」が必要なのか?

世の中に伝えるためには、企業や商品が持つ価値(内面)を世界観(外見)として見える(体感できる)形に表す必要があります。世の中には競合する企業や商品はたくさんあります。しかし経営者や開発者が大切にしている想いや、目指す姿など、注意深くヒアリングし考察すると、その価値は様々なはずです。企業や商品のフォーカスすべき価値を決定し、世の中に分かりやすく伝え認知される魅せ方を検討する必要があります。
価値がより共感される魅せ方を導き出し、デザインでビジュアル化して世界観を構築することで、企業や商品の価値がより強いメッセージとなって世の中に伝わりやすくなります。
構築したビジュアルをWEBサイトやパンフレット、パッケージ、広告など様々な媒体から発信することで世の中に対して統一されたイメージの認知を醸成できます。

デザインという手法が必要な理由

ヒアリングからフォーカスすべき価値の検討、ブランドコンセプトの策定までは主に「言葉」による思考で進みますが、思考したことを世の中に直感的に伝えるためには「思考のビジュアル化」が重要になります。適切なビジュアルの方向性を探り、共感を得られる精度の高いビジュアルを作り上げるには、デザインに対する見識と制作能力が必要になります。そのためクリエイティブディレクターやアートディレクター、デザイナーといったクリエイティブ領域の職能が不可欠となります。世の中の人達はアウトプットされたデザインを通して企業や商品の価値に触れることになります。そのためブランディングにおけるデザインには企業や商品の価値をターゲット層に適切に伝えることのできる高い精度が必要になります。デザインの精度次第で世の中に伝わるメッセージの質やスピードが変化してしまうため、「思考のビジュアル化」の工程は特に時間を割いて、制作したデザインに対して、検討とブラッシュアップを繰り返すべき重要なポイントとなります。

人間は五感による知覚のうち83%の情報を視覚から得ている、という研究結果があります。人間の脳はテキストよりもビジュアルのほうが6万倍速く認知できるとも言われています。人間の機能的側面から見ても、企業や商品の価値を認知していただく上で、ビジュアルで伝える重要性が理解いただけるかと思います。
参照:「レファレンス事例詳細」「人間の脳に訴えかけるのはテキストよりも画像

まとめ

ブランディングにおけるデザインの役割は、世の中に企業や商品のメッセージを伝えるためのインターフェースといえます。だからこそ精度の高いデザインは世の中に適切に価値を伝えるためのコミュニケーションツールとなります。
企業価値・商品価値という目に見えない分かりにくいものを、ブランドコンセプトという形で言語化し、世の中に直感的に伝わるデザインに落とし込みます。この工程における価値の創出、コンセプトメイク、デザイン制作は普段からデザイン業務の中で行われている領域であり、「ビジュアル化」以外の工程においても、デザイン会社がブランディングを行う意義は高いのではないでしょうか。

シニアWEBデザイナー / I.H