SSL化対応したはずなのに!〈保護されていない通信〉と表示されてしまう3つの原因
大手を中心に、今やすっかり常時SSL化されているWEBサイトが主流となりました。
セキュリティ面での意識やSEO的な観点は当然ながら、多くのWEBサイトが常時SSL化対応に踏み切ったのは、Google Chromeが導入に踏み切った、〈保護されていない通信〉表示の影響が大きかったのではないでしょうか。
〈保護されていない通信〉は、SSL化対応されていないページのアドレスバー左に表示されます。しかし、SSL化対応したはずのページであっても、〈保護されていない通信〉が表示されてしまうことがあることをご存じでしょうか。
今回は、SSL化対応したページで〈保護されていない通信〉が表示されてしまう代表的な原因を3つご紹介します。
原因1 SSL化されていないファイルを読み込んでいる
おそらくもっとも多い原因は、ページ内にSSL化されていないファイルを読み込んでいることです。
WEBページは、ページそのもののファイル(htmlファイル)の中に、画像ファイルやjavascriptファイルなど様々な別のファイルを読み込んで構成されています。この読み込んでいるファイルがSSL化されていないものだとページ全体がSSL化されていないとみなされ〈保護されていない通信〉が表示されてしまいます。
SSL化したはずのWEBページで〈保護されていない通信〉が表示されてしまった場合はまずこの原因を疑い、htmlファイルを確認してみましょう。
原因2 TLSプロトコルのバージョンが古すぎる
TLSとは簡単に言うと、通信暗号化の規格のことです。
現在の最新バージョンはTLS 1.3、ほとんどのブラウザがサポートしているスタンダードな規格はTLS 1.2になります。このTLSのバージョンが古く1.0や1.1の場合も〈保護されていない通信〉が表示される原因となります。
TLSのバージョンは次の手順で確認できます。
- 調べたいWEBページにGoogle Chromeでアクセス
- キーボードの[Ctrl] [Shift] [i]を同時押ししてデベロッパーツールを起動
- 右上のSecurityタブを押し、表示された画面でTLSのバージョンを確認
確認した結果、TLS 1.0やTLS 1.1と表示されていた場合は対応が必要です。TLSの設定はサーバー側で行うので、古いバージョンのTLSを発見した場合はサーバー管理者やレンタルサーバー会社に問い合わせてみましょう。
※サーバーそのものが古すぎる場合、TLS 1.2以降へバージョンアップすることができないことがあります。その場合はサーバー自体を交換する必要があります。
原因3 インストールしているサーバー証明書の期限が切れている
サーバー証明書とは、そのサーバーが安全であることを証明するファイルです。
SSL化対応をするには、サーバーにサーバー証明書をインストールする必要があります。このサーバー証明書には期限があり、期限が切れてしまうと〈保護されていない通信〉が表示されてしまいます。
サーバー証明書の期限は次の方法で確認できます。
- 調べたいWEBページにGoogle Chromeでアクセス
- アドレスバー左側のアイコンをクリックし、さらに出てきたポップアップの中の証明書をクリック
- 表示された画面でサーバー証明書の期限を確認
サーバー証明書の更新作業もサーバー側で行うことになります。サーバー証明書の期限が切れないよう定期的に確認し、期限が近付いてきたらサーバー管理者やレンタルサーバー会社に問い合わせましょう。
おわりに
〈保護されていない通信〉はWEBページにセキュリティ上のリスクが存在するときに表示されます。「以前SSL化したから大丈夫!」と油断することなく、日ごろからWEBページをチェックして適切にトラブルに対処していきましょう。
WEBディレクター / H.M