会社や商品の認知度(知名度)上げるブログコンテンツ活用
売上を上げたいが、会社や自社商品の認知度が低く思うようにいかない…。中小企業によくある悩みです。大企業のように広告費はかけられないし…ではどうするか?
今回ご紹介するのは、自社のWEBコンテンツを利用した、比較的少ない予算で始められる認知度アップの方法となります。
認知度と知名度の違い
認知度アップの話をする前に、言葉として混同されやすい「認知度」と「知名度」の違いについて説明させてください。
・認知度:会社や商品の強みや特長が世の中にどれだけ理解されているか
・知名度:会社や商品の名前が世の中にどれだけ知られているか
知名度は高いに越したことはありませんが、名前が知られているだけではお客様に自社を選んでいただくには弱いため、認知度を高める必要があります。
今回の記事では「認知度」をアップする方法をお伝えします。
コンテンツマーケティングで認知度向上
コンテンツマーケティングとはユーザーにとって価値のあるコンテンツを継続提供してファン化し、自社WEBサイトへの流入、認知度アップや商品購入、問い合わせ等につなげるマーケティング施策のことを言います。今回は自社WEBコンテンツを使用したコンテンツマーケティングの中でも比較的始めやすい、ブログを使用した方法をご紹介します。お気づきかもしれませんが、この「まるログ」もコンテンツマーケティングを目的としたブログなのです。
ターゲットや目的を明確に意識して運用する
認知度アップを目的にブログを始めるにあたり、決めておきたいのが「ターゲット」です。ターゲットとはブログを読んで欲しい人、つまり自社に仕事を依頼する可能性のある人や自社商品を使用するであろうユーザー層のことを指します。ターゲットが欲しがるであろう情報やノウハウ、あるいは開発者や生産者の想いなどをブログで発信していきます。分りにくいかもしれませんので具体例をあげます。
茶葉を売るお茶屋さんの場合
ターゲット:普段からお茶をよく飲む人、お茶に関心のある人
発信内容:
- 美味しいお茶の入れ方
- 世界の茶葉の種類や特徴
- お茶の健康への効能
- お茶の歴史
- 茶器の種類や特徴、歴史
- このお茶には、こんなスイーツが合う
- こんなお茶が入荷しました!
- この前、こんなお茶飲みました報告
などなど、まだまだ出てきそうですがキリがないのでこのくらいにしておきます。普段お茶のプロが仕事としてお茶に関わっている中では、当たり前と感じているようなことでも、素人目線では「なるほど!そうなのか」と感心することって意外と多いものです。
まるログの場合
弊社マルキンアドはWEBデザインやグラフィックデザイン、企業ブランディングを得意とする会社です。ですので、このブログは下記の2種類のターゲットを設定しています。
- 中小企業経営者や企業においてデザインやWEBを発注する立場の人
- デザイナーを目指している学生や同業者
ターゲットに対して、デザインやWEBに関する専門的な情報や意見を発信することで自社を専門的なノウハウを持った会社として印象づけ、認知度をアップすることを目的としています。ターゲット1に対してはデザイン発注先の候補の一企業になれるように、ターゲット2に対しては就職、転職の際に選んでいただけるように、という目的を持って運用しています。
ブログの運用体制
ブログを使用したコンテンツマーケティングは、WEBに関する専門的な知識を必要とせず、無料で使用できるサービスも多いため導入時のハードルは低いといえます。しかし価値ある情報を継続発信していくのはなかなか大変で、始めたはいいが継続できず消滅していく企業ブログは多いようです。当まるログは月2回の発信を4年以上継続しています。参考までにまるログの運用方法をご紹介します。
- まるログは私が立ち上げ、メインで運用していますが、記事原稿の作成は弊社クリエイティブスタッフ全員が持ち回りで行っています。原稿作成を1人で行うのは結構な労力になり、継続が困難になると予想したためこういった体制をとっています。また、持ち回りにしたことで様々な視点からの記事が生まれ、良い結果に繋がっています。
- 予めブログのターゲットと目的をしっかりと共有しておきます。これをやっておかないと目的に合わない的外れな原稿になってしまい、作り直しという事態が起きます。
- 私の方で3ヶ月先までの担当者の予定を組み、原稿締め切り2ヶ月前に原稿担当に依頼します。大抵「マジっすか〜」と苦笑いされますが鉄の心と低姿勢でお願いしています(笑)。原稿を頼まれたことを忘れてしまう人もいるので、最近は締め切り1ヶ月前と1週間前に「大丈夫?」と確認するようにしています。
- 仕上げてもらった原稿を私が確認。修正が必要な場合はお願いして、画像を選定しブログの体裁に仕上げます。その後原稿担当者に校正確認してもらい、社長チェックが入り公開となります。
- 公開後はSNSへの掲出と、社内にメールで新記事公開のお知らせと次回予告、各記事のアクセスランキングを紹介しています。メールでのお知らせは記事作成へのモチベーションアップを狙っています。
Google等で検索されることを意識する
ブログコンテンツの場合、そこへの流入元はほとんどがGoogle等の検索結果からとなります。
記事原稿を作成する際に、ターゲットにとって価値ある情報を意識するわけですが、その上で更にターゲットがどんなキーワードで検索して記事にたどり着くのかを想像してみましょう。記事タイトルに検索されそうなワードを含めることで、検索エンジンが「この記事はユーザーが欲している情報だ」と判断し、検索結果で上位に表示される可能性が上がります。
ただし一番大切なのは、検索ユーザーにとってその記事に価値ある充実した情報が掲載されているかという本質的な部分になります。Googleの検索アルゴリズムも検索結果のクオリティ向上のために常に進化していて、この本質的な部分を最重視する傾向は強くなっていくと思われます。
長期計画で考える
ブログコンテンツは結果が出るまでに時間がかかる点がデメリットとなります。
記事数が増えて、ブログへの流入の間口が広がることで、自社WEBサイトがより多くの人に見てもらえるようになり、認知される機会が増えます。
記事数が少ない最初のうちは検索結果でも上位表示されにくく、アクセス数もなかなか伸びません。先程例で挙げた、お茶屋さんのブログでは、お茶関連に特化した記事が多数アップされていくことで、ブログ全体で「お茶のブログ」として評価が上がり、その結果検索でも有利に働く可能性があります。また、短いスパンで定期的にブログを更新していくことも検索において高評価につながります。
まるログも立ち上げ当初は、一番アクセスの多い記事で月60PV(ページビュー)程度でしたが、4年以上運用してきた現在は、月5000PVを上回る記事も出てきています。地道に続けていくことが大切なようです。
自社アピールも忘れずに(さりげなく)
目的が認知度アップなので、「この情報を発信しているのは私たちです!」ということを知ってもらう必要があります。ただしやり過ぎるとブログ自体が広告っぽくなり嫌われてしまう可能性があります。
まるログは以前はコーポレートサイトから独立していて「TOP」や「ABOUT」など共通のナビゲーションが付いていませんでした。自社アピールはブログから自社WEBサイトにリンクを貼るというのが分かり易いのですが、まるログではイマイチ効果が出ませんでした。記事最後のボタンやバナーはほとんどクリックされないのです。そこで、まるログをコーポレートWEBサイトと共通のヘッダやナビゲーションを付けることで、まるログはマルキンアドWEBサイトの一部であることをデザインで分かるようにしました。その結果まるログから他ページへの流入が大幅に増えました。
認知度アップが目的であれば、コーポレートWEBサイトとのデザインの統一はとても効果的です。バナーを貼るよりも遥かに自然に記事と自社の関連性を認識してもらえるはずです。
ただし、残念ながらこの方法はWEB制作の専門的な知識を必要とし、かつ無料サービスのブログでは採用できないので、WEB制作会社に制作を依頼する必要があります。
まとめ
自社の認知度アップを目的としたブログコンテンツについて、まるログでの経験も交えて紹介してきましたが参考になりましたでしょうか。ブログコンテンツは簡単に始められるので、とっつき易ですが、しっかりとした目的と計画がないと自然消滅することになります。
しかしながら、いわゆる広告とは違い、自社コンテンツとして蓄積され資産として残り続けるものになります。うまく運用できれば自社WEBサイトに人を集め認知してもらうことのできる、自社にとっても大変価値あるコンテンツになります。その状態にまでコンテンツを成長させるには地道な継続発信が必要ですが(汗)。
WEBデザイナー / I.H