デザイン決定を主観のみで行うのは危険です!
映画「JOKER」が話題になっていますね。色々と考えさせられることがありましたが、考察はさておき、血が苦手な私は、その点だけでも観るのが辛かったです(笑)
劇中で語られていたことのひとつとして「善悪は主観でしかない」ということがありましたが、WEBデザインの良し悪しの判断についても主観で評価されることが多くあります。
デザインは「好み」で決められがち
WEBサイトのデザインは、クライアントのWEB担当者や経営者の主観的な判断で決定されがちですが、そこには落とし穴があります。WEBサイトプロジェクトやランディングページの成否の要因は色々考えられますが、重要な要因であるにも関わらず見落とされがちなのが「デザインをどう決めるか」です。
プロジェクトの企画・構成がよかったとしても、デザインがイマイチだったために結果がでなかったということもよくあります。
あるデータによると、デザインの決定理由は、約55%が「好み」で、「サイトの目的を達成できそうだから」は約20%ということだそうです。これはWEBサイトプロジェクトやランディングページの目的とデザインの意思決定が切り離されているということです。
さらにそのデータでは、デザインの方向性が、決定権のある少数の意思によって決定されているそうです。つまりクライアントの経営者や、たったひとりのWEB担当者などの意思決定者によってデザインが決まっていることが多く、事実そういったシーンはWEBデザインに携わる人には日常茶飯事と思います。
デザインはロジカルな視点で考える
一般的にWEBサイト制作開始前には、クライアントからのオリエンテーションがあり、それをもとにターゲットなどマーケティングの方向性などが練られます。そして、そのマーケティングの方向性に基づいて実際のWEBサイトの企画や構成などが決められることが一般的です。しかし、WEBサイトやカタログのイメージを印象づける「デザイン」は、クライアントのWEB担当者や経営者の好みで、主観的に決められがちです。
主観で決定されたデザインがユーザーに受け入れてもらえているかどうかが判明するのは、実際に公開してしばらく運用してやっとわかるものですが、WEBサイトの目的を達成するためには、ターゲット選定や企画・構成と同じように、ロジカルな視点でデザインを決める必要があるはずです。
WEBデザインの構築プロセスとして、”Jesse James Garrett”というUXデザイナーが提唱した5段階モデルがあります。
- 戦略(Strategy): サイトやアプリの目的は何か、そして利用者はそれを使うことで何を得ることができるのかを設計
- 要件(Scope): 利用者の目的を満たすために必要な機能やコンテンツを設計
- 構造(Structure): 様々な操作を経て目的の情報や機能へ辿り着くようにするための全体構造の設計
- 骨格(Skelton): 利用者が理解しやすいように画面に表示される情報の優先順位や配置の設計
- 表層(Surface): 情報を示したり、操作できるものを表す視覚的なデザイン
つまり、ターゲット→コンテンツ→サイト構造・導線→画面構成(ワイヤーフレーム)→クリエイティブデザインというように、それぞれの段階を意識的に階層化して、検証しながらデザインを構築していくという考え方です。作ろうとしているWEBサイトやランディングページのデザインが何のためなのかを考えること、そしてそのデザインが、先に挙げた5段階要素に基づいていることが大切です。
まとめ
主観でデザインを決定しても、自己満足のためだけであればよいのかもしれません。
しかし、WEBサイトの目的をしっかり定義し、結果を出すWEBサイトを作りたいとお考えであれば、主観的にデザインを決定するのではなく、ターゲット選定や企画・構成と同じく、ロジカルな視点を持って、デザインを決めるということにトライしてみてはいかがでしょうか?
WEBプロデューサー / O.Y