手描き風ベクターイラストの作り方!
デザインの仕事において、イラストが必要となるシーンは多くあります。その時、既存素材ではなく描き起こしたイラストを使用することで、より狙いにフィットした精度の高いデザインが可能になると同時に、独自性を打ち出すことができます。今回は、手描き風イラストの描き方をご紹介!少し手間は多いですが、親しみやすく優しい雰囲気に仕上がります。
1 下絵を描く
アイディアをスケッチします。今回はメガネの女の子を描いてみました。私は紙に鉛筆で描いたものをスキャンしていますが、スマートフォンで撮影してもOK。そのままクラウド経由などでPCに読み込むことができるので簡単です。
2 トレース
Illustratorに画像を配置したら、さっそくトレースを始めましょう!
ブラシツールorペンツールでなぞっていきます。線はあとからも調整できるので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。
画像のみをロック(選択した状態で⌘2)するか、別レイヤーに分けた上でレイヤーごとロックし、下絵が動かないようにします。この時は線の色を変えておくと作業がしやすいです。
3 ブラシを適用
トレースを終えたら、線のカラーを黒に戻し、ブラシの種類を変更します。線をすべて選択した状態でブラシを選びましょう。
アピアランスでラフをかけたり、Illustratorにもともと入っているアートブラシを適用してもいいのですが、今回はフリーのブラシ素材をダウンロードして使用しました。
フリーブラシ素材
12 Free Wax Crayon Effect Brushes
こちらのブラシ、実際にクレヨンで描いた線をもとに作られているので、とても自然な手書き感が出ます。線をこれにするだけでかなりいい感じです。
4 色を塗る
Part.1
次に、トレースした線をPhotoshopにペーストして色を塗ります。
ブラシは不透明度を50〜70%に設定し、あえてムラを残しつつ塗ると、重なりの濃淡で手書きの雰囲気が出てきます。
レイヤーは線画、髪、肌、服など、パーツごとに分けておきましょう。
Part.2
着色が完成したら、線画以外を表示した状態で保存し、psdデータをIllustratorに配置します。(この時にpsd上で色の調整を行えばaiにも反映されます)
画像を選択したまま、画像トレース>写真(高精度)を適用するとベクターデータに変換されるので、そのまま拡張してパス化してください。
5 線画と合体!
(4)の上に(5)で完成させた線画を重ねたら完成です!
このとき、線と塗りをそれぞれグループ化しておくのを忘れずに。
まとめ
手描きの風合いを求めるなら、アナログで描いた絵をスキャンして使用するのがもっとも素直な方法です。しかしベクターデータに仕上げれば拡大しても粗くならないので、印刷⇔WEB間など媒体をまたいでの扱いが楽になります。線をアウトライン化せず残しておけば、調整やパターン作りが容易になるというメリットも。
絵の描き方は人それぞれ、この他にも手描き風イラストの描き方はたくさんあります。唯一の正解というものはないので、自分に合った描き方を探してみてください。
グラフィックデザイナー / S.M