デザインで重宝するPhotoshopのマスクの使い方
前回は、画像加工などを行う上で素早く切り抜くためのPhotoshopの機能を紹介しました。その中で、クイックマスクツールについてふれましたが、他にもマスクで切り抜きを行う方法があります。今回は、Photoshopのマスク機能を3つ紹介します。
クリッピングマスク
レイヤーでマスクをかける方法です。背面のオブジェクトの形や不透明度に合わせて、前面の画像を切り抜きます。
基本的な使い方
- 切り抜くシェイプ(U)を作成。
- 前面に切り抜きたい画像、背面にシェイプ。(Illustratorのクリッピングマスクと順番が逆)
- 前面のレイヤーを選択して、クリッピングマスクをかける。(command+option+G)
もしくは、option+[2つのレイヤーの間をクリック]でクリッピングされる。
ここが便利!
- マスクレイヤー(背面のシェイプ)はマスクをかけた後も編集可能。複雑なシェイプで切り抜きたいときに便利。
- テキストにマスクをかけることができて、後々文言が変更になった場合でも編集可能。
似た機能で文字マスクツールがありますが、これはフォントや内容の修正ができません。 - 通常は全レイヤーに影響する色調補正も、クリッピングマスクを使えば個別レイヤーに指定できる。
- 1つのマスクレイヤーに対して、複数のレイヤーをクリッピングすることができる。
デメリット
- レイヤーの中に他のレイヤーが割り込むとクリッピングが解除されるので注意。この場合は、リンクで連結させるかグループ化させてファイルでまとめる。
- グループにクリッピングマスクはかけられない。
レイヤーマスク
マスクをかけたいレイヤーに直接、選択範囲でマスクをかけるやり方です。
基本的な使い方
- 選択範囲(D)を作成 。
- レイヤーパネル下にあるアイコンをクリックして、マスクを作成。
ここが便利!
- マスクに対して、グラデーションツール(G)でグラデーションをかけることができる。
- 境界線をぼかすことができる。マスクパネルが表示されるので調整可能。
- ペンや消しゴムで書き込むときはレイヤーに直接描かず、マスクに描けば修正可能。
- グループにマスクを使用できる。グループとグループ内のレイヤーにマスクをかければ、複雑なデザインができる。
デメリット
- マスクがシェイプやパスではないため、マスクを拡大変形するとマスクのエッジがぼやけてしまう。
レイヤーマスクの複製の仕方
- レイヤーマスクの選択範囲を作成。(command+レイヤーマスクのサムネクリック)
- ペーストしたいレイヤーを選択してから、[レイヤーマスクを追加]ボタンをクリック。
※Option+[レイヤーマスクを追加]ボタンで選択範囲を反転してマスクをかけることができる。
ベクトルマスク
マスクをかけたいレイヤーに直接、パスでマスクをかけるやり方です。
基本的な使い方
- シェイプ(U)で[パス] を選択し、シェイプを作成。
- command+[レイヤーマスクを追加]ボタンをクリック。パス選択ツール(A)で編集が可能。
ここが便利!
- 拡大・縮小を行なってもマスクの境界線を綺麗に保つことができるので、きっちりしたいデータにオススメ。
デメリット
- パスでマスクをかけるので、グラデーション、ブラシ等は使えない。
まとめ
作業自体は単純ですが、工夫の仕方によっては様々な表現ができます。今回紹介したマスクは、Photoshopでデザインを制作するのに、頻繁に使うものになります。それぞれのマスクのかけ方やメリットを知り、作業効率を上げましょう。ぜひ、ショートカットキーと合わせて活用してみてください。
WEBデザイナー / C.Y