「著作権」って、どんな権利?
グラフィックデザインの業界でも、ロゴマークやキャラクターデザインなどの際には特に注意が必要な「著作権」。この「著作権」という言葉は皆さん聞いたことがあると思いますが、いざどんな権利か説明しようとすると少し難しいですね。何気ない普段の日常にも著作権は関係してきます。
著作権ってそもそも何?
簡単に言ってしまえば、「自分の作品をどのように利用できるか決定できる権利」です。ここからここまでの範囲なら使っていいよ、でもこの使い方はNG!というふうに作者は作品に対して決めることができます。これはプロ・アマチュア、作品が上手か下手か関係なく自然発生する権利です。
例えばどんなもの?
定義として、「作者の気持ちや考えが独創的に表現されているもの」とあります。「独創的に」とあるので、オリジナリティが必要ですね。具体的に挙げると以下のようになります。
- 言語:小説、脚本、論文など
- 音楽:楽曲、歌詞
- 美術:イラスト、絵画、彫刻など。舞台装置も含まれる
- 舞踊または無言劇:ダンス、バレエなどの振り付けなど
- 建築:一般的な建物ではなく、宮殿などの建築芸術と呼ばれるもの
- 図形:地図や設計図、模型など
- 写真
- 映画
- プログラム
他にも、例えば、ゲームなら基本的にプログラムに分類されますが、シナリオは言語、イラストは美術、BGMは音楽、ムービーは映画のように色々な著作物の複合体であるものもあります。
作品タイトルやセリフは、文字数が少なく独創的な表現と言えないため、著作物になりません。ただ、意匠権や商標権など他の権利に該当する場合もあるので、真似をしても全く問題がないとは言えません。
著作権に有効期限はあるの?
自然発生する著作権ですが、有効期限があります。原則、作者が生きている間に加えて死後50年は権利が存続されます。なお、匿名やペンネームで公表されたものは公表後50年、映画の場合は公表後70年です。これらは国によって存続期間が異なり、国によっては100年存続されることも…。
何をすると違反になる?
原則、著作者から許可を得ずに無断で使用したりコピーしたりすると著作権の侵害になり、著作者側に不利益があった場合、訴えられる可能性があります。
しかし、例外が2点あります。「私的使用」と「引用」です。
私的使用
「自分で買ったCDをプレーヤーで楽しむためにコピーする」「友人と楽しむために画像をコピーする」などは『私的使用のための複製』となり、著作権の侵害にあたりません。ただ、特定の少人数に限られるので、不特定多数相手、また、商用目的だと侵害になります。
引用
他の人の著作物を自分の著作物の中で紹介したり、要素を取り入れたりすることが引用です。ここで大事なことがあって、
- 引用が自分の著作物より多くないこと
- 引用元が明記されていること
- 改変しないこと
上記は最低限守らないといけません。
まとめ
著作権の基本だけご紹介しましたが、いかがだったでしょうか?SNSなどで簡単に著作物をコピペできるこのご時世、後から「やってしまった!」なんてことがないように、しっかり自衛する事が大切です。
グラフィックデザイナー / K.Y